「なんであんな無謀なことを…」
そう言われながらも、夢をあきらめず、最後にはやり遂げてしまう人がいます。
周りが不可能だと笑っても、自分の志が高ければ、そこに道はできる。
今回は、そんな信念を力強く表すことわざ
「志高ければ事成る(こころざしたかければことなる)」
を、たとえ話や歴史背景とともにご紹介します。
◆ 「志高ければ事成る」の意味
**「志高ければ事成る」**とは、
目標や志を高く持って努力すれば、大きなことを成し遂げられるという意味です。
大きな成功をおさめた人たちの多くは、ただ努力しただけではなく、最初から“高い志”を持っていました。
このことわざは、「思いの大きさが、未来のスケールを決める」と教えてくれる言葉です。
◆ たとえ話でイメージしてみよう
✈️田舎町の高校生・ミナの話
ミナは、山と田んぼに囲まれた田舎町で育った高校生。
ある日テレビで「女性パイロット」の特集を見て、こう思いました。
「私も空を飛びたい…!」
でも、学校には航空関係の進路情報もなく、家も裕福とはいえません。
先生にも「もっと現実的な進路にしなさい」と言われました。
それでもミナは、航空大学校のことを独学で調べ、勉強を始めました。
朝5時に起きて英語と数学の勉強、放課後は近くの山の上で飛行機を眺める日々。
数年後――
彼女は見事、パイロット訓練生として夢の第一歩を踏み出しました。
「周りがなんて言おうと、志さえ高ければ道は拓けるんだ」
ミナの姿は、まさに「志高ければ事成る」を体現していたのです。
◆ 起源と歴史的背景
「志高ければ事成る」は、はっきりとした出典は定まっていませんが、吉田松陰の教えや明治時代の思想に深く影響を受けた言葉とされています。
吉田松陰は、こう言いました。
「志を立てて以て万事の源となす」
また、幕末から明治にかけて日本を大きく変えた人々――西郷隆盛、坂本龍馬なども、「志」という言葉を非常に大切にしていました。
現代のビジネス書や教育の場でも「志(こころざし)」という言葉が重視されるのは、こうした歴史的背景があるからなんですね。
◆ こんなときに使える!
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無謀と思われた挑戦に、努力を重ねて成功したとき
→「やっぱり志高ければ事成る、だね」 -
自分に自信が持てない人への励ましに
→「大丈夫。志さえ高く持てば、きっと道は見えてくるよ」 -
チームで大きな目標に挑戦するとき
→「大きなゴールを目指そう。志高ければ事成る、だから」
◆ おわりに
高すぎる目標は、時に笑われることもあります。
でも、志があるから人は動き、世界が少しずつ変わっていくのです。
「無理かもしれない」ではなく、
「やってみたい。だからやるんだ」という気持ちを、胸に持って進んでみませんか?
志高ければ、事は必ず成る。
このことわざは、未来へのエールそのものです。