047【艱難汝を玉にす】苦しみの中で、人は磨かれる

「もう無理かもしれない」

「なんで自分だけ、こんなにうまくいかないんだろう」

人生の中で、そんなふうに感じる瞬間は誰にでもあるはずです。

でも――

艱難汝かんなん なんじたまにす」

この古い言葉が、あなたの心を少しだけ軽くしてくれるかもしれません。

それは、今あなたが経験している苦しみが、未来の輝きをつくるという、逆境の中の希望のことばなのです。

📝言葉の意味

「艱難汝を玉にす」とは、

人は困難や苦難を経験することで、人格や能力が磨かれ、立派な人間になる

という意味です。

  • 「艱難」=苦しみ、困難、試練
  • 「玉にす」=玉のように磨き上げる、価値あるものにする

つまり、逆境はただの不運ではなく、あなたという存在を磨く“砥石”なのです。

📖たとえ話

会社での人間関係に悩み、思い切って転職したナオキさん。

ところが、新しい職場では思うように成果が出ず、上司にも叱責される毎日。

「やっぱり自分には無理だったのかもしれない」と落ち込んでいたとき、ふと目にしたのが、この言葉でした。

「艱難汝を玉にす」
「この苦しみも、きっと自分を磨いている時間なんだ」

そう信じて粘り続けた半年後。

ナオキさんは人事評価で大きく飛躍し、今では後輩指導も任されるようになりました。

「苦しかった時期が、今の自分をつくってくれたんです」

その言葉には、確かな実感がこもっていました。

📚背景・由来

「艱難汝を玉にす」は、中国の古典『旧唐書きゅうとうじょ』の中に登場する言葉です。

もともとは、苦境に耐え抜いた人物を称える場面で使われたとされます。

後に日本でも武士や学者たちの座右の銘として広まり、明治・大正時代の教科書にも登場しました。

また、英語にも似た表現があります。

💬 “Adversity makes a man wise.”(逆境が人を賢くする)

つまりこの言葉は、時代や国を超えて共通する人生の真理なんですね。

💡こんなときに使える!

  • 仕事や勉強でうまくいかないとき:「今は磨かれている時間だ」
  • 夢に向かって努力している友人への励ましに:「艱難汝を玉にす、だよ」
  • 自分の過去を振り返って伝えたいとき:「あの苦しみがあったから今がある」

✨まとめ

「艱難汝を玉にす」

それは、「試練=悪いもの」という考えをひっくり返してくれる力強い言葉です。

うまくいかないとき、悩んでいるとき、苦しいとき。

そんな“艱難の時期”こそ、未来のあなたが輝く準備をしている時間かもしれません。

大丈夫。

いまのあなたは、確かに“玉になろうとしている途中”なのです。

🌟 つらい時期こそ、自分を信じよう。艱難汝を玉にす。