「もう無理かもしれない」
「なんで自分だけ、こんなにうまくいかないんだろう」
人生の中で、そんなふうに感じる瞬間は誰にでもあるはずです。
でも――
「艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)」
この古い言葉が、あなたの心を少しだけ軽くしてくれるかもしれません。
それは、今あなたが経験している苦しみが、未来の輝きをつくるという、逆境の中の希望のことばなのです。
📝言葉の意味
**「艱難汝を玉にす」**とは、
人は困難や苦難を経験することで、人格や能力が磨かれ、立派な人間になる
という意味です。
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「艱難(かんなん)」=苦しみ、困難、試練
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「玉にす」=玉のように磨き上げる、価値あるものにする
つまり、逆境はただの不運ではなく、**あなたという存在を磨く“砥石”**なのです。
📖たとえ話:ナオキさんの転職失敗
会社での人間関係に悩み、思い切って転職したナオキさん。
ところが、新しい職場では思うように成果が出ず、上司にも叱責される毎日。
「やっぱり自分には無理だったのかもしれない」と落ち込んでいたとき、ふと目にしたのが、この言葉でした。
「艱難汝を玉にす」
「この苦しみも、きっと自分を磨いている時間なんだ」
そう信じて粘り続けた半年後。
ナオキさんは人事評価で大きく飛躍し、今では後輩指導も任されるようになりました。
「苦しかった時期が、今の自分をつくってくれたんです」
その言葉には、確かな実感がこもっていました。
📚背景・由来
「艱難汝を玉にす」は、**中国の古典『旧唐書』**の中に登場する言葉です。
もともとは、苦境に耐え抜いた人物を称える場面で使われたとされます。
後に日本でも武士や学者たちの座右の銘として広まり、明治・大正時代の教科書にも登場しました。
また、英語にも似た表現があります。
💬 “Adversity makes a man wise.”(逆境が人を賢くする)
つまりこの言葉は、時代や国を超えて共通する人生の真理なんですね。
💡こんなときに使える!
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仕事や勉強でうまくいかないとき:「今は磨かれている時間だ」
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夢に向かって努力している友人への励ましに:「艱難汝を玉にす、だよ」
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自分の過去を振り返って伝えたいとき:「あの苦しみがあったから今がある」
✨まとめ
「艱難汝を玉にす」。
それは、「試練=悪いもの」という考えをひっくり返してくれる力強い言葉です。
うまくいかないとき、悩んでいるとき、苦しいとき。
そんな“艱難の時期”こそ、未来のあなたが輝く準備をしている時間かもしれません。
大丈夫。
いまのあなたは、確かに“玉になろうとしている途中”なのです。
🌟 つらい時期こそ、自分を信じよう。艱難汝を玉にす。