040【居処は恭に、事を執りて敬に、人に与りて忠なるべし】(きょしょはうやうやしく、ことをとりてけいに、ひとにあずかりてちゅうなるべし)

こんにちは!
今回は『論語』から、人としての基本的な姿勢を教えてくれる言葉を紹介します。

みなさんは、「礼儀正しい人」「仕事に真剣な人」「仲間に誠実な人」——そんな人に出会ったことはありますか?
たとえば、どんなに忙しくても笑顔で挨拶を欠かさない先輩。細かい仕事でも丁寧に取り組む同僚。困っているときにさっと手を差し伸べてくれる友人。

今回の論語の言葉は、そんな「人としての基本」をぐっと詰め込んだ一文です。


◆ 今回の言葉

「居処は恭に、事を執りて敬に、人に与りて忠なるべし」
(きょしょはうやうやしく、ことをとりてけいに、ひとにあずかりてちゅうなるべし)

この言葉は、孔子が弟子の子張(しちょう)に向けて語ったもの。
「どこにいても礼儀正しく、どんな仕事にも敬意をもって真面目に取り組み、人と関わるときは誠実であれ」という意味です。


◆ たとえ話で理解してみよう

ここで一つ、たとえ話をしてみましょう。

ある町に「三つの“しん”を大事にする人」がいました。
その人はこう言います。

「心(こころ)を整えて、真(しん)っ直ぐに生きるには、まず姿勢から始まるんです」

1. 居処は恭に(場所や態度に礼儀を)

彼はいつも姿勢が良く、きちんとした服装をしていました。
お客さんが来たときは、立ち上がって丁寧に迎えます。
家に一人でいるときでさえ、だらしなくしない。

→これは「どこにいても、自分を律することが大事」という教えです。

2. 事を執りて敬に(仕事や行動に敬意を)

彼は掃除でも会議でも、どんな作業でも手を抜きません。
「これは小さなことだから」と軽んじることはなく、
一つひとつに丁寧に向き合います。

→つまり「仕事の大小に関わらず、真剣に取り組む」ということですね。

3. 人に与りて忠なるべし(人と接するとき誠実に)

人の話をよく聞き、うなずき、約束を守る。
相手のことを考えて行動するその姿に、まわりの人は安心感を覚えました。

→これは「人間関係において、誠実さが信頼につながる」というメッセージです。


◆ 起源や背景もちょっとだけ

この言葉が収録されているのは『論語』の「子張篇(しちょうへん)」という章です。
「子張」は孔子の弟子で、真面目で努力家な人物だったと伝えられています。

孔子はそんな子張に、人生の根本的な姿勢を説いたのがこの言葉。
特別な能力よりも、「日々の姿勢」が人をつくるというのが孔子の考えだったのです。


◆ おわりに 〜日常にどう活かせる?〜

この言葉は、ビジネスでも日常生活でもとても大事なことを教えてくれます。

  • 家にいても、だらけすぎない

  • 仕事には真摯に向き合う

  • 人との関係は誠実に、真心を込めて

これらを意識するだけで、きっと周りの信頼も変わってくるはず。
自分自身が「人に信頼される人」であるために、今日から少しずつ実践してみませんか?


よろしければ、このシリーズでは他の論語も紹介していますので、ぜひそちらもご覧くださいね!
次回もどうぞお楽しみに。