037【鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス】「待つ力」が未来を変える

こんにちは。

人生は、思い通りにいかないことの連続ですよね。

「なんで今じゃないの?」

「どうして動いてくれないの?」

──そんなふうに、もどかしい気持ちになること、ありませんか?

そんなときに思い出したいのが、こちらの有名な句です。

「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」

この句は、一見ただの風流な一句のように見えますが、実はとても深い“人間力”を表した言葉なんです。

この句の意味とは?

「ホトトギスが鳴かないなら、無理に鳴かせようとはせず、鳴くまで待つ」という意味。

つまり、

「状況が整うまで焦らず待とう」

「相手が動くまでじっと我慢しよう」

といった“忍耐”と“信じる心”を表しています。

急がず、焦らず、時が満ちるのを待つ

──簡単なようで、実は一番難しい“待つ力”がここに込められています。

たとえ話

ある少年がホトトギスを飼っていました。

ある日からそのホトトギスは、なぜか鳴かなくなってしまいました。

心配になった少年は、いろんな人に相談します。

「火を近づけてみろ」

「脅してやれば鳴くかも」

「別の鳥を連れてこい」

そんなアドバイスをたくさんもらいました。

でも少年は言いました。

「きっと、今は鳴きたくないだけ。そのうち、また鳴く日が来るよ」

毎日エサをあげて、声をかけて、そっと見守る日々。

やがて春になり、ホトトギスは朝の光の中で、再び「ホトトギス」と鳴きました。

少年は何もしていないようで、何よりも大事なことをしていたのです。「待つこと」を。

起源・由来について

この句は、実は歴史上の有名な人物にちなんだ川柳風のたとえ句なんです。

ホトトギスを題材に、三英傑――織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の性格をあらわしています。

三者三様のホトトギス

武将 性格
織田信長 鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス 短気で結果主義
豊臣秀吉 鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス 機転が利き、工夫するタイプ
徳川家康 鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス 忍耐強く、時を待つタイプ

この中で「鳴くまで待とうホトトギス」は、徳川家康の精神を象徴する言葉とされています。

家康は天下統一を果たすまでに、幾多の困難を乗り越え、何十年も耐え続けた人物。

その姿勢がこの句にぴったり重なるため、後世の人々がこう表現したのです。

おわりに

現代は「すぐに答えが出る」ことが求められる時代。

でも、ときには“待つ”ことが最大のチカラになることもあります。

焦らず、急かさず、信じて待つ。

「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」

──この言葉が、心の支えになる瞬間が、きっとあなたにもあるはずです。